サスペンション独学ノート 2017年まとめ① 「旋回特性と前後ばね上固有振動数バランス」

しばらくサスペンションの話題から離れていましたが
今まで理解したことを一度まとめます。

今まで
「サスペンションを変更して走行性能を高めること」を目標として進めてきましたが
理解出来た事をひたすら書き綴ってきたのでドゥにも話の順序がわかりにくい
とりあえず要点を順番に並べていきます。
素人の独学ノートですので拙い内容ですが
参考にして頂ければ幸いです。

最初に、、
サスペンションを固くしてロール&ピッチを減らすと走行性能が良くなる理由を考えたときに至った結論は、

姿勢変化によりもたらされる荷重変動は少ないほど対角にあるタイヤのトータルグリップの減少が少なくなる」です。

簡単な例をあげると
前後左右の重量配分(コーナーウエイト)が等しい状態がタイヤの性能80%であり
タイヤの荷重変動によるグリップ力変化は直線変動では無いのでロール(ピッチ)して荷重のアンバランスが大きいほど、
荷重が増えた側はグリップ100%限界に近づき
荷重が抜けた側はより大きくグリップ力が低下します
その時のトータルグリップ力は「コーナーウエイトが等しい状態であるタイヤ性能の80%」以下になります。
荷重移動とCP変動
↑内輪荷重と外輪荷重の真ん中の線が姿勢変化無し状態のタイヤ性能
内輪荷重と外輪荷重を結んだ斜めの線と真ん中の線の交点が荷重変化状態でのタイヤ性能
限界下がってるでしょ

どんなに強烈に荷重移動を起こしても外側のタイヤに掛る荷重は軸重が最大であり
この時の内側タイヤの荷重は0で浮いている状態
この時に外側のタイヤが2倍クリップすれば帳尻は合いますが、
もちろんタイヤのキャパシティはそんなに多くは無いので限界は下がります。

ワイドタイヤ化で限界が高まる理由はこのアタリにありそうですね、、
あとでもう少し考えてみます

ちょっと脱線しましたが、
一言で表すと
「固いサスペンションでロール&ピッチ変化が少ない方が荷重が抜ける側のグリップ低下が少ない」って事です。

この「姿勢変化によりもたらされる荷重変動による限界性能変化」を前後軸で分割して考えれば車の運動の基本特性になります。
状況別に列記してみると

①減速時のノーズダイブを考えると、ピッチング量により前後グリップバランスが変化するので
●フロント>リアならばノーズダイブが少なくなり、
リアタイヤのグリップ低下が少なくなるのでアンダーステア(安定維持)
●フロント<リアならばノーズダイブが大きくなり、
リアタイヤのグリップ低下が多くなるのでオーバーステア(不安定化)

定速定常円旋回中のロールに関しては
●フロント>リアならばフロントの荷重変動が少ないのでフロントのグリップ低下が少なく、
リアは荷重変動が大きいのでグリップ低下が多くなり オーバーステア(ロールオーバー)
●フロント<リアならばフロントの荷重変動が大きいのでフロントのグリップ低下が大きく、
リアは荷重変動が少ないのでグリップ低下が少なくなり アンダーステア(ロールアンダー)

加速旋回時のテールスクワットを考えるとピッチング量により前後グリップバランスが変化するので
●フロント>リアならばテールスクワットが大さくなり、
リアタイヤのグリップ低下が多くなるのでオーバーステア(トラクションによりリアが砕けて流れる感覚)
●フロント<リアならばテールスクワットが小さくなり、
リアタイヤのグリップ低下が少なくなるのでアンダーステア(加速することで前後が釣り合う感覚)
※ここはハッキリとわかります

簡単にまとめると
●フロント>リアならば
「入口アンダー 出口オーバー」
●フロント<リアならば
「入口オーバー 出口アンダー」

コレがサスペンションセッティングの操縦性に関する根幹部分だと考えます
僕の体感でも同じ結論です。

もちろんココで話している「固さ(ロール剛性&ピッチ剛性)」はバネ上固有振動での比較です、単純にスプリングレートだけ考えちゃダメです。
ACF(アングルコレクションファクター)
とレバー比を加味してホイールレートを求めて
レバー比とACF
レバー比とACFを理解しよう①
レバー比とACFを理解しよう②
レバー比とACFを理解しよう③

バネ上荷重に対するホイールレートの固さを定量的に比較するためにバネ上固有振動数を用いる必要があります。
バネ上重量と固有振動数

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