E36 M3 Koni Sports 減衰力設定 ⑯

さて、、、今まで乗り心地に特化してセッティングを進めてきて大まかな傾向はつかめました。
高速道路をクルーズして、一般道をトコトコと走るならこのセッティングでOK
サーキットまで対応できる固有振動数のスプリングで普通に街乗り出来ます。

でも、、、
ここまでハイレートのトリプル&ツインスプリングの脚を「乗り心地」だけに特化しているのは勿体ない!!

フロントスプリングの仕様変更やボディダンパーの効果で乗り心地の粗さが収まったので、
ここで一気に方針変換
M3らしく「走行性能重視」にセッティングします。
快適にノンビリ走るなら325iCabrioletに乗れば良いんです♪

思い立ったのが、深夜の移動で一般道を使っていた時、
ハイペースで流れる郊外の国道を走らせるときに「もう少しピシっとした動きの方が快適かも?」って考え始めて
試しにフロントの減衰を感覚だけで固めてみると、

思ったよりも悪くない、、、

いままで「ふにゅっ」って逃がしていた動きが「どすっ」っと止められる感覚に変わるだけ
脚の動きに角が無いので「心が折れる脚の硬さ」とは違う硬さです。

って事で改めて「トリプル&ツインスプリング+Koni」を設定した固有振動数なりの
「ワインディング重視」に合わせます。

最初に、減衰率設定の基準となるスプリングレートを変更、
今までは乗り心地を考えてプライマリー領域でストロークを止めて、
メイン領域は低減衰率で動かし続けて乗り心地を作っていましたが

運動性をメインに考えるので1G付近を受け持つメインレートに対する減衰率で考えます
エクセルで作り込んだ減衰力計算シートの設定をちょいちょいと変更して

ホイールレートをメインスプリング領域に変更
フロントホイールレート 7.46kgfmm (ACF 1.1)
リアホイールレート 7.84kgfmm(レバー比 1.53)

減衰率はとりあえず適当に調整して結構好感触だったフロント調整ノブの位置から逆算して32%に設定
それでも減衰率が低めなのはトリプル&ツインスプリングのプライマリー領域の減衰率を考えての事です。
減衰率から求めた前後の減衰力調整ノブの角度が決まったので早速調整してテストに入ります。

伸び側減衰力のみ無段階調整って使い易いですね♪
Koniで基礎的な事を理解したら2Way 4Wayの無段階調整って進んでみたいです

何時ものガレージを借りて下回りのボルトナットの緩み点検も兼ねて1時間30分ほどで調整完了
早速、近所の山奥を軽くドライブ
やはり悪くはない印象、
覚悟して減衰率を高めた割にはガチガチにはならずに普通に乗れますね、、、
前後の減衰率のバランスが取れた事で細かいピッチングが消えたのが印象を良くしている要因だと思います

車両の動きは減衰力を高めた事によりバネ上の無駄な動きが減って
ペースを上げて入力が大きくなっても安定感あります。
速度が低いとバネ上の慣性が小さいので路面不正をなぞるように揺れますが、
速度が上がるにつれて動きが据わっていきます。

「低速では固いけど、速度が上がると安定する」コレってドイツ車に多い「高巡航速度設定の車」に多い感覚ですね

車の特性はスプリングと前後の減衰率バランスを変更していないので、大きな変化は無し
減衰率を高めても縮み側の減衰力は変化しないKoniの特性で、
ステアリング入力に対する反応はあくまでもマイルド、
一歩間違えるとルーズの領域(笑)

低い縮み側減衰によりレスポンスは鈍い設定なので細かい切り返しをパキパキ切り込むことは苦手

緩慢な動きを少し大きめのブレーキ&ステアリング入力で「放り込む」ような初期旋回
(ブレーキを引きずらないのがポイント)
旋回姿勢に移り望んだ旋回円に入るほんの少し前にパワーを当てて僅かにアンダーっぽい雰囲気を作って
安定した旋回姿勢に移ればそこから先は好重量バランスFRのお楽しみ
踏めば巻きながら斜めに進む&パーシャルにすればラインは止まる♪
低めのロック率の純正LSDなので極端な姿勢変化も少なく、程よく安定、程よく旋回
旋回姿勢に持ち込む位置次第でリアタイヤに掛けられる余剰トルクが変わるので面白いです♪

で、、、
体力があって元気な時は大抵のリセッティングは好印象、、

一日遊んで疲れてくると、リアのダイレクト感が逆に鬱陶しい、、、
ダンパーを絞めてバネ上の動きを抑えたのは良い方向ですが、
流石にロードノイズと逃げのない動きは「弄った脚のヤリ過ぎ感」が出ています。
そこでチョットだけルーズな方向に変更。

大入力時の動きは変えたくないから、
あくまでも「動き初め」と「微入力」を逃がす事と少しアンダーステア方向に変更します

リアのピロアッパーを思い切ってノーマルアッパー(E46 M3 CSL用のチョット強化版)に変更
パワーONでちょっと巻き過ぎる「ドライバーに好戦的」な性格は少しだけフロント減衰を下げてロール剛性を下げてパワーONでアンダー気味に振りました
フロントは最終的にはスプリングレートの微調整を含めてベストを探ります。

この微調整で当たりは逃がして大入力には粘るって雰囲気に、
ピロアッパーによる”モノコック鳴り”も収まり「普通感」が向上
見た目はカーボンボンネットと羽根が付いた「古くてボロい3シリーズ」
(既に全身のM3マークは撤去済でグレード不明)ですが、
脚はノーマル延長線上で別物仕上がりになってます(笑)

高速道路の快適巡航性能は下がりましたが、こっちの方が面白いです♪

①適切な重心位置(前後重量バランス)への調整(ここで可能な限りニュートラルに)

②「仕様用途をから設定したバネ上固有振動数(2.0Hzくらい)」と「1~2名乗車で設定した車両軸重」からホイールレートを求め
ホイールレートにレバー比、ACFを織り込んでスプリングレートを求める

③豊富なストロークと適正なサスペンションアーム角維持を最優先した純正車高

④ダンパーストロークの伸び縮みを適切に割り振り「底付き&伸び切り」を可能な限り回避したプリロード設定

⑤任意の減衰率(35%くらい)を設定してホイールレートと軸重から減衰力を設定

この5つの要素が僕の見つけた”楽しい脚”の条件です。


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