適切なスプリングの選定方法を考える③ 材料と応力

さて、、これまでのバネの理屈を基礎にスプリングの材質を見てみると
最近のカタログで良く見かけるのが「高応力スプリング材」を売りにしているスプリング

応力ってなんでしょ?

ちょっと調べてみると
応力(おうりょく、ストレス、英: stress)とは、
物体の内部に生じる力の大きさや作用方向を表現するために用いられる物理量
物体の変形や破壊などに対する負担の大きさを検討するのに用いられる。

つまり「高応力スプリング材」は「同じ体積で変形に対する負担が高い材料、塑性変形までの荷重がより高い材料」って事ですね。
「簡単にはメゲない根性のあるスプリング鋼」って事です。
コイルスプリングの塑性変形は入力が大きすぎて設計された荷重を超えてしまった場合に発生して、
縮んだスプリングが戻らなくなる状態
ヘタって自由長が短くなる現象です。

この時点でこのスプリングは元には戻りませんので破損品となりゴミ箱直行、、、
まァ短いスプリングなら机の上の高価なペン立て程度の余生が残されると思います。

で単純に”高応力スプリング材万歳!!”って今までの低応力スプリング材から
設計変更無しで材料だけ置き変えてみると
応力は「入力された力に対しての負担の大きさ」なので、
大きな力に対して耐えられる=塑性変形(スプリングのへたり)までの荷重が大きくなる事
を意味しています。

つまり、一定の耐力を確保した状態での設計の幅が広がるって事ですね。

「高応力まで対応できる材料」は塑性変形までのマージンが大きいって事なので、
スプリングのストロークが伸ばせます。
これはスプリングの軽量化の方向に可能性が広がります。 コレが最大のメリットだと思います。

つまり、設計要件で同じ耐荷重を求められた時に、従来のスプリング鋼に比べて変形量(ストローク)を大きく取れるので、
更に「細く短い」スプリングで必要な耐荷重を満たす事が出来るのでスプリングの軽量化が図れます

この方向で作られた軽量スプリングがSWIFTですね
高応力鋼を使っていますが高応力設計なので他社製のスプリングに比べると耐荷重は低めになっています。
同じ耐荷重で「細く短い」設計にするとスプリングに掛かる応力(ストレス)は高くなるので乗り心地には厳しい方向
この乗り心地部分に対応するためにSWIFTはバネ端の設計をオープンエンドにしてあえて初期レートを出さずに
バリアブルレートやツインスプリングに似せた特性を持たせたのかもしれません

SWIFTに対してして真逆のアプローチをとったのがハイパコ等の「太く長い」スプリング
あえて軽量化を求めずに高応力鋼の太くて長い素線を用いた低応力設計によりスプリング自体で乗り心地が良くなる方向、
初期からキッチリとレートを立ち上げてフィーリングをハッキリさせることが可能です。
オマケに高応力スプリング鋼に低応力設計なので応力マージン取りまくり
そりゃヘタリ保障だって付けられるでしょ(笑)

エンドレス社のX-coilシリーズのカタログを読むとその差は良くわかりますよね
スタンダードの黄色いX-coilは通常のスプリング鋼で「太く長い」スプリングで乗り心地重視、
サーキット走行に特化した赤いx-coil Rは高応力鋼を使った「細く短い」スプリング
同一メーカーが2種類の設計で製品化するのは参考になります。

グダグダと書いてきましたが、
自分の求める理想に合わせてスプリングの要件も変わるって当たり前の事なんですよね、、、
よーく考えて選ばないと、
乗り心地を求めているのに運動性重視の組み合わせをしていたり、
その逆を組んでいたり

自分の車ですので、せめて理屈だけでも知っておきたいです。


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