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Guinand 耐Gテスト結果

Guinand Japanさまから依頼された耐Gテスト、
練習から選手権での実戦フライト、機体組み立てから搬送、
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ポーランドでのアクログライダー運航の全ての時間を一緒に過ごしてきました。
日本での4回のフライトを含め、合計で17回のフライトを実施
+6G & -4Gを再三掛けてみましたが、、、

誤差変化無し!!

正直少しは誤差が出ると思っていたんですよね、、、
「時計のムーブメントは高精度なギアの塊で動力はぜんまいなので、日常生活では掛からないGとその継続時間でギアの軸受け部分のフリクションが変わる事で誤差が生まれるはず」と考えていたんです。

日常生活でのGは意外と大きいんですが、継続時間が短いのでGの認識より”衝撃”として捕らえられています、
遊園地のジェットコースターでも3~4Gを数秒ってとこですね
継続して大きなGが掛かるのは、「ジェット戦闘機の戦闘機動&デモフライト、パワー機のアクロ、ダウンフォースが掛かったレーシングカー、大気圏を出入りする宇宙船」くらいでしょう

実際に使ってみての「見やすさ性能」は思った以上で、
直射日光にさらされるキャノピーに覆われたコクピット内でも、ガラスの乱反射も無く大きめの文字盤と針で視認性も良好です。

思いも拠らない部分では、条件が悪い時程「見やすさを性能」を実感できます。
薄暗い夕方、コンテナやトレーラー内、夜間の車内などの暗くて見えない状況になるほど、
広面積の夜光塗料で文字盤も針もはっきりと闇に浮かび上がります。

一緒に何度も飛んでいて気が付いたんですが、ムーブメントの音って結構良い音しているんですよね♪

 離陸前、キャノピーを閉めるとエンジンの無いグライダーのコクピットはアクリルガラス一枚で隔てられているとは思えないほど静かになります。
この静かなコクピットで離陸が始まる十数秒の間だけムーブメントの音がコクピットに響きます。
一緒に飛ぶ機会が増える度に、この音が「飛ぶぞ!!」の精神集中スイッチになっていきました。

短いテスト期間でしたが「時を計る計器」として「耐久性、視認性、信頼性」を満足できる性能を持った良い時計です。

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今回の遠征が終われはテスト終了なので、この相棒はGuinand社に戻ってします。
プロトタイプは「完全な製品では無い」ので基本的には社外に出される事は無いそうです。

「初選手権参戦の思い出」ってオプションも追加装備したのになぁ、、、


Guinand 耐Gテスト

日本での最後のトレーニングを使って、Guinand S-90スペシャルモデルの最初の耐Gテストを行いました
テスト前の1G環境での日常使用での誤差を計測の後に、トレーニングフライトでGを掛け、
12時間後にもう一度誤差を測り変化を比べます
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最初にこの時計の持つ誤差を測定すると
24時間毎にゼンマイを全巻きして+12秒の誤差 5日 120時間毎に1分進みます。
12時間で+6秒の誤差を持ちます

日曜日の0800に時報との誤差を比べると 
時報+32秒

4回のトレーニングを実施、
このときのピークGは+5.5G インメルマンで不要なGを掛けてエネルギーロスを招いたようです。
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トレーニング終了後、機体を分解してトレーラーに格納
航空日誌とフライトログの整理をしたあたりで2000
時報との誤差を確認すると
時報+38秒

12時間で+6秒は変わらず。

5Gx4回程度じゃビクともしないって事ですね、
初回の耐Gテストはまったく問題無し、
来週からポーランドに一緒に渡り、トレーニングと競技会を通じて2週間の連続テストに入ります。
ギナーンのムーブメントの精度はGに影響されるかがテストを通じて明確になります。


Guinand(ギナーン) タイラップ仕様 プロトタイプ

僕のグライダーアクロを応援してくださっているGUINAND(ギナーン)JAPANさんから、新型のプロトタイプが届きました。

GUINAND(ギナーン)の時計とは、、、

第2次世界大戦時にドイツ空軍パイロットとして活躍したHelmut Sinn氏の実戦経験をもとに
時刻を確実に一瞬で知るために装飾を切り捨て”見やすさ”だけに特化された時計です。

GUINAND JAPANさんが仕様を決定して、GUINAND社のマイスターがハンドメイドで組上げたカスタムモデルです!!

プロトタイプですが、外見は既存のモデル同じだから公開OK♪
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モデルラインナップ中の視認性に特化した「Series-90」をベースに黒の文字盤に白の全数字仕様
ムーブメントはシンプルな手巻きゼンマイ、プロトタイプなので中身の変更点は不明、
(どうやら新型らしいです)

プロトタイプが僕の手元にやってきた理由は、
2012年度のトレーニングキャンプとポーランド選手権の19日間を使っての耐Gテスト依頼で、
トレーニングキャンプから競技フライトまで、この時計と一緒に飛び、12時間.24時間毎での精度テストを実施します。
ほぼ連日、曲技飛行のGを喰らわせる耐久テストって、、、あんまりないんじゃない(笑)

僕が時計に求める仕様は、
普段のフライトから競技、イベント等での時間管理を重視した「完全合理主義仕様」の”時を計る”計器

外観での特徴は、
アウトドアでの使用を前提とした汚れに強いステンレスバンド仕様
ベゼルは潔く”アビエイターモデル”のお約束のような計算盤も無し
実際に航空機の航法で腕時計のベゼル計算盤なんて使いません、そもそも小さくって見えないでしょ

まじめに航法する場合はこんな専用のフライトコンピューター(航法計算盤)をくるくる回して、
到着時間や消費燃料を計算します(笑)
フライトコンピューター(航法計算盤 AN-2)
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もしベゼルを付けるとしたら、「GUINAND-31」モデルのようなのような分刻みベゼルですね
必要なのは、「何分経過したか?」を認識すること。
ナビプラン用紙に時刻を記入してちまちま暗算するより、ベゼルを見て一発判断の方が確実です。
普段の生活だと”カップラーメンの時間”から”ドライブの休憩時間管理”まで、イロイロと使い勝手が良いんです♪

ブランド系の華やかさはありませんが、メルセデスW201 190E-16V ,BMW E30M3やポルシェ964辺りまでが持つドイツ製品独特の”凄みのある機能美”、
実に男っぽい雰囲気です。
(ほとんど軍用時計みたいな生い立ちですから、、、、)
機能に特化したコンセプトだけあって、実際に使ってみると見やすくて良い時計です。

明日はポーランドでの連日テストの前の精度テストとして、Gを掛けた状況での精度を確かめます。

こんな時計と一緒に飛ぶからには、時計に負けないように頑張らなくては、、、、

ちょっと心に引っかかるのが、試験用のプロトタイプなんで、この夏が終わればGUINAND社に帰ってしまうんですよね、
プロトタイプの宿命で、もしかしたら分解されちゃうかも、、、

あと数週間もすれば一緒にポーランドの空を飛び、「競技曲技飛行初参戦の思い出」も仕様に追加されるんですが、
どうにかならないかなぁ、、、


お帰りなさいマセ ご主人様♪

今日は天気がイマイチだったのでお家でノンビリ♪

お昼過ぎに嬉しい電話が鳴りました!

先日からオーバーホールに出していた「ブライトリング」が仕上がりました♪
僕が事業用操縦士の免許を取った時に、叔父さんから譲って貰った時計です。

HI3C0090
HI3C0090

モデルは「ジュピターパイロット」
時計マニアにしてみればクオーツは「ふぅ~ん」って代物らしいです(笑)
まぁ~実用計器として扱う時計なので僕は精度重視のクオーツモデルが好きですね~

オーバーホールを依頼したのは街の小さな時計修理屋さん
昔堅気の爺ちゃんが机に向かってます、、、

HI3C0089
HI3C0089

今日はゼンマイの懐中時計のオーバーホールしてました。
机の周りに山積みの工具箱と部品箱、、、
ゴソゴソ、、、カチャカチャ、、、
キン、キン、、キン、
小振りなハンマーを打つ小さな金属音

背中越しの仕事を眺めた数分間、
居心地良い仕事場でした、、、

自分の時計を受け取る時の「大切にね」って一言が重く感じます、、、
心からの「お帰りなさい」です。

やっぱり大量生産、大量消費の使い捨て文化って間違ってると思う。

しかし、、、手持ちのアイテムのオーバーホール待ちが溜まってる
僕と同い年のニコンの一眼レフや愛車の1995年式 BMW-M3
最近、どっちが主人なのか判らなくなりそうです(笑)
機械物がご主人様で僕はメンテナンスの為の執事?

調子を崩してきている機械を誤魔化しながら使う知恵ばかりが身に付いている気がするなぁ、、、